皆さんこんにちは。
いつも「すがけんの天理教のみかた」をご覧いただきありがとうございます。今回は前回に引き続いて『仮席の栞』の最終部分、「おさづけの取り次ぎかたについて」の後半部分をみていきたいと思います。
※これまでの部分については以下をご参照ください。
伝染病や感染症の場合の対応について
(5)伝染病の場合
無理に病人に接近せず、教会に参拝するなどしてその人の為に、お願いさせて頂くという道があります。親神様は真実の心さえ届いたならばご守護くださるのです。
天理教教会本部『仮席の栞』15頁
伝染病や感染症の拡大を防ぐことを目的に、病人が隔離されている場合がございます。この場合、ようぼくは直接病人に接することができません。このような場合は、近くの教会に参拝させていただくことを『仮席の栞』では提示しています。
二代真柱様は、
「さづけは病たすけ、つとめはよろづたすけと教えられている」
(中山正善「教理の体系と信仰の様態」『やまと文化』23頁)
と仰せられます。
つまり、「よろづたすけ」と教えられるおつとめによって、全てのことをたすけていただけると仰せられるのです。
とにかく、やむなく病人に近づくことができない際は、
「この人にたすかってもらいたいという心」を親神様に御供させていただき、病人のたすかりをおつとめによって願わせていただきましょう。
医者・薬についての考え方
(6)医者、薬について
病気は親神様の思召しに沿わない心遣いが元となって現れるものですから、心の治め方が何よりも大切であり、ご守護を頂く根本です。教祖は、医者、薬は修理肥と教えられ、不要だとか、用いてはならないとは仰せになっていません。むしろ、医者が手を離した病気でも真実の心次第にたすけるとお教えくださっています。
天理教教会本部『仮席の栞』15頁
天理教の場合、医療を利用することは何も問題ではありません。
しかし、だからといって、病気は医療に任せておけば良いという訳ではありません。
医療技術は凄まじい勢いで日進月歩しています。
しかし、いくら精巧な機械を活用し、レベルの高い医療を受けたとしても、医療行為では病気になる以前の状態に戻るのが関の山です。
それについて「おふでさき」では、
このさきハどんなむつかしやまいでも
みなうけよふてたすけするぞや
にんけんにやまいとゆうてないけれど
このよはじまりしりたものなし
この事をしらしたいからたん/\と
しゆりやこゑにいしやくすりを
『おふでさき』第9号9~11
とお教えくださいます。
神様はどんなに難しい病でも引きうけると仰せられます。
そして、神様はこの病を通して、元はじまりのことを人間に承知してもらいたいとお考えなのです。
人間は病といえば、すぐに「医者だ~」「薬だ~」と言うものです。
しかし、それはあくまでも修理であり、肥として補助的な働きであるということを心に治めておくことが大切です。
病になるということは、神様のお話を聞いて、これまでの自分から一歩でも神様の思召に沿う人間になることが求められる旬なのです。ですから、おさづけの取り次ぎに際しては、神様の話を取り次ぐことが強調されているのです。
家畜や作物に対する注意事項
(7)家畜や作物に対する注意
おさづけは人間以外に取り次いではなりません。家畜の病気や作物の不良は、その飼主、作り主の心の現れであり、その家の患いともいうべきものですから、その場合は、飼主、作り主、またはその家族に対してお話を取り次ぎ、心定めをして、親神様にお願いさせていただきます。
天理教教会本部『仮席の栞』16頁
おさづけの理は人間に取り次ぐものです。
動物や作物へ取り次ぐものとしてはお渡しになられていません。
家畜の病気や作物の不良は、育てる者の心が現れた姿であると考え、神様のお話を聞いて、心を改めることが守護を頂戴できる道と仰せられます。
まとめ
「親神様は真実の心さえ届いたならばご守護くださる」とお教えいただきます。
要するに、「この人にたすかってもらいたい」という心を持つことが、ようぼくとしてまずなによりも大切なことであり、この真実の心をもって病人に取り次ぐのが「おさづけの理」なのです。
そしてもう一つ大切なこと。
それは病をお見せいただく本質を見失わないようにすることです。
ようぼくは病を契機におさづけの理を取り次ぎます。
人間の考えでは元の体になることを願い、おさづけの取り次ぎやおつとめでその人の助かりを願います。
しかし本当に大切なことは、「神様のお話を聞いて、これまでの自分から一歩でも神様の思召に沿う人間になること」なのです。
これが病をお与えいただく理由なのです。
ですから、私たちは神様の思召に沿うところに、健康であるという素晴らしいご守護を頂戴することができるのです。
にちにち、神様のお話と共にある日々を歩ませていただきたいですね。
今日はここまで、
最後までお読みいただきありがとうございました。